野球少年にはプロ野球選手、サッカー少年にはJリーグの選手といった様に、スポーツには成功者の得るステータスが世間一般に理解されている。しかし、勉強の道には成功者の得ることができるものが見えにくい。スポーツも勉強も、幼い頃から努力をコツコツと積み重ねていくものであるのに、どうして勉学を極めても得るものは少ないのだろう?勉強に努力を費やす生活は苦しいだけじゃないか?僕は高校時代そう思っていた。僕は間違っていた。先生の語る人生論、先生のライフスタイルは勉強を極めた者のサクセスストリーであった。また、先生の熱心で解り易い講義、膨大な量の板書は先生の実力を証明していた。成功者はここまで熱くて、凄まじいのか。この人なら一年間ぼくを引っ張っていってくれると思った。それから一年間、先生の講義に最前列で出席し続けた。講義中は、何度もあてられ、答えられなかった、その度に先生の叱咤を浴びせられた。
正直、毎週講義前は緊張して、講義後はへこんだ。だが、僕の世界史の成績は伸び続けた。センターでは世界史98点をとり、二次では東京大学文科2類に合格した。受験勉強で得た知識は大学に入ったら無駄になるかもしれない、しかし、上住先生にみせてもらった成功者の栄光はいつまでも僕が追い求めるものになるだろう。受験勉強は辛いものであるが、必ず得るものは大きいのである。一年間、どうせやるならドカンと一発かましてやろう!!
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